SNSやインターネット、さらにはNFTなどの仮想通貨が普及してきた影響もあり、海外ユーザーに向けて情報を発信したいと考える方は多いでしょう。
海外ユーザーからのアクセスが集まれば、それだけで認知度の向上、商品購入、売上につながる可能性があります。
しかし、「海外SEOのやり方が分からない」「日本のSEOと何が違うのか知りたい」と思っている方も多いはずです。
そこで、この記事は海外SEO(グローバルSEO)のメリットやデメリット、また、海外SEO成功への対策ポイントについて詳しく解説していきます。
今後、海外に向けて情報を発信していきたい、海外SEOに力を入れていきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事のポイント】
✓海外SEO(グローバルSEO)について
✓海外SEOのメリット・デメリット
✓海外SEOを成功させるためには
目次
海外SEO(グローバルSEO)とは
海外SEO(グローバルSEO)とは、よく「多言語SEO」とも呼ばれていますが、海外の検索ユーザーに向けてサイトを最適化する施策のことを言います。
日本と海外では、文化も違えば人も違います。
それぞれの国に対応したサイトを作る必要はありますが、海外進出や海外向け商品を展開していく場合には必須になる施策のひとつです。
海外SEOは日本のSEOと何が違うのか
海外SEOと日本で行うSEOには大きく2つの違いがあります。
それがこちら。
・検索エンジン
・トレンド
それでは、詳しく解説していきます。
検索エンジン
日本ではGoogleがトップシェアを誇っているため、SEOではGoogleの評価を基準にすることがほとんどです。
Googleは世界的に使われている検索エンジンですが、国によって主流となる検索エンジンは異なります。
例えば、ロシアはYANDEX、中国はBaidu、韓国はNaver、ヨーロッパや北米ではBingなど、すべての国がGoogleを主流としているわけではありません。
それぞれの国で使われている検索エンジンに合わせて対策を取ることが、日本のSEOと大きく異なるポイントといえるでしょう。
トレンド
海外SEOをするのであれば、日本と海外とのトレンドの違いを熟知しておかなければなりません。
日本と海外では文化も生活もすべてが異なります。
そのため、日本で人気のコンテンツやバズっているコンテンツを同じように発信したからといって、必ずしも効果が出るとは限りません。
「パンツ(Pants)」という言葉でも、日本では「ズボン」を意味しますが、アメリカでは「下着」を指します。
同じ言葉であっても、国によって意味が変わることがあるので、現地のトレンドや文化は入念に調査する必要があります。
海外SEO(グローバルSEO)のメリット
海外SEOは日本のSEOと違う点が多く、難しいように感じるかもしれませんが、その分のメリットがあります。
海外SEOによる主なメリットはこちらです。
・市場が広がる
・ブランディングにつながる
それでは、それぞれ見ていきましょう。
市場が広がる
海外SEOに取り組む最大のメリットは、日本を飛び出し、海外ユーザーにもアプローチできるところです。
日本だけでは頭打ちになってしまうようなニッチなサービスでも、市場を広げればさらにターゲットリーチ(人)を増やすことができます。
しっかりと分析を行い、ターゲットとなる国にアプローチできれば、さらなる集客や売り上げの向上につながるでしょう。
ブランディングにつながる
海外SEOのもうひとつのメリットは、ブランディング効果です。
日本のみならず海外ユーザーにも情報を発信することで、自社の商品やサービスが、より多くの人の目に触れることになります。
そうなれば、Instagramやtiktok、TwitterなどのSNSでシェアされる可能性もあり、上手く行えば被リンクの獲得も狙えます。
SNSシェアや被リンクは、サイトのドメインパワーにも直結するため、人の目に触れる機会を増やすということはブランディングにおいても大きなメリットといえます。
海外SEO(グローバルSEO)のデメリット
海外SEOのメリットについてお伝えしましたが、デメリットについても知っておく必要があります。
主なデメリットはこちらになります。
・成果が出るまで時間がかかる
・サイト運営の手間が増える
それでは、それぞれ見ていきましょう。
成果が出るまで時間がかかる
日本のSEOでも同じことですが、SEOは広告配信と違ってすぐに効果が出るものではありません。
これは、効果の良い日本サイトを海外向けにした場合も同様です。
先述したように、日本と海外では文化も生活も違います。
そのため、いかにその国に合った良質なコンテンツを発信することができるがカギとなります。
また、良質なコンテンツをアップし続けることで、サイト全体の評価があがり徐々に効果が上がってくるものなので、はじめは我慢の時間になることを覚悟しましょう。
サイト運営の手間が増える
日本サイトだけならそこまで手がかからないことも、ターゲットとなる国それぞれでサイトを運営するとなると、かなり時間と労力はかかってきます。
ターゲットとなる国が多ければ多いほど、管理するサイトの数は増えるので、きっちりと管理体制を整えないと思わぬトラブルに陥る可能性があります。
サイトやコンテンツが多い場合は、管理者を増やす、もしくは管理をSEO会社に依頼するなど対策を取るようにしましょう。
海外SEO成功への対策・ポイント
海外SEOは、やり方を間違えると失敗してしまい、費やした時間もコストも無駄になってしまう可能性があります。
そのため、ここでお伝えする対策・ポイントをしっかりと押さえて、実施するようにしてください。
・URLの設定
・コンテンツ制作はネイティブに
・ホスティング
・アノテーション設定を実施する
・Googleサーチコンソールでジオターゲティングを設定する
・ページスピード
それでは、詳しく見ていきましょう。
➀URLの設定
海外SEOなどの多言語サイトでは、言語ごとに独自のURLを設定することが重要です。
同一URLに、さまざまな言語のコンテンツが並んでいると、ユーザーは情報を探しづらくサイトの利便性が下がっていく可能性があります。
利便性が下がるということは、ユーザーの離脱にもつながるので、言語ごとに独自のURLを設定しそれぞれの国に合わせたUX(ユーザー体験)にする必要があります。
また、ドメインを取得する際は、国コードトップドメインの取得が理想です。
国コードトップドメインとは、その国でのトップドメインのことで、日本では「.jp」になります。
このように、各国でトップドメインが異なるので、ドメインを取得する際は、このあたりも確認して取得するようにしましょう。
とはいえ、ドメインを新たに取得しなくても言語ごとにサイトを区別する方法があります。
それがこちら。
➀ドメインを国ごとに設定(info.us)
➁サブドメインを国ごとに設定(us.info.com)
➂サブディレクトリを国ごとに設定(info.com/us/)
ドメインを新たに取得しなくても、サブドメインやサブディレクトリで区別することも
可能なので、状況によってどのパターンを採用するのか検討してみてください。
➁コンテンツ制作はネイティブに
多言語サイトでは、元ある日本語を翻訳してコンテンツを作る方もいますが、海外SEOを成功させるなら翻訳機能の使用は控えましょう。
翻訳機能の制度はどんどん上がっているとはいえ、今のところ直訳でしかないので文章が不自然になってしまうことがほとんどです。
不自然な文章では、正しい情報が伝わらずユーザーの離脱や利便性の低下につながってしまいます。
そのため、海外SEOでコンテンツを作る際は、なるべくネイティブに作ってもらうのがベストです。
手配が難しい場合は、現地に住んでいる日本人や海外をよく知るライターさんなどに依頼すると良いでしょう。
➂ホスティング
海外SEOでは、サイトが自国のサーバーにアップされているかどうかも重要なポイントです。
サーバー選びでは、「ある特定の国で速く表示させたいか」もしくは「世界中どこからでも速く表示させたいか」の大きく2つの選択肢があります。
「ある特定の国で速く表示させたい」場合、ターゲットとなる国で利用されているサーバーを選べば良いのですが、「世界中どこからでも速く表示させたい」場合は、AWS(Amazon Web Services)がおすすめです。
AWSは、CDNと呼ばれる世界中のネットワーク回線を利用しているため、世界中のどこからでもアクセスすることができ、表示スピードも速いのが特徴です。
「たかがサーバー」と思うかもしれませんが、サーバーひとつで検索エンジンからの評価も変わってくるので、しっかりと対策しておきましょう。
➃アノテーション設定を実施する
アノテーションとは、同じコンテンツでも、別々のURLが存在することを検索エンジンに知らせるための設定のことです。
近年では、レスポンシブデザインが主流になっているので使用する頻度が少なくなっていますが、ひと昔前は、PC版のURLとSP版のURLを別々で設定するのが主流でした。
この場合、コンテンツは全く同じでURLだけが違うサイトが出来上がるので、検索エンジンからはコピーサイトという評価を受けてしまう可能性があります。
そこで、重要なのが別々のURLでも同じコンテンツであることを知らせる「アノテーション設定」です。
これは、海外SEOで使用する多言語サイトでも同じで、“日本版のURLと同一コンテンツで、それぞれの国に対応した別のURLがある”ということを検索エンジンに知らせる必要があります。
海外SEOにおいて、アノテーション設定は必須と言っても過言ではないので、必ず設定するようにしましょう。
➄Googleサーチコンソールでジオターゲティングを設定する
海外SEOに使用するサイトのドメインが、国コードトップレベルドメインではなく、ジェネリックトップレベルドメイン(.com/.info/.net)の場合、Googleサーチコンソールでジオターゲティング(インターナショナルターゲティングとも呼ぶ)設定を行う必要があります。
ジオターゲティング(インターナショナルターゲティング)を設定することで、“それぞれのページが適切な国と言語に設定されているか確認する”ことができるようになります。
例えば、海外ユーザーがアクセスしてきても、適切な国や言語が設定されていないとコンテンツの内容を理解できず離脱につながる可能性があります。
これでは、せっかくのユーザーが台無しになってしまい、そのまま運営していると大きな機会損失が生まれてしまいます。
そのため、しっかりとジオターゲティング(インターナショナルターゲティング)を設定して、適切な国・言語が設定されていることを確認するようにしましょう。
⑥ページスピード
海外SEOにおけるページ表示速度の評価は、日本とさほど変わらないでしょう。
単純に速ければ速いほど高評価というわけではなく、表示速度が遅い場合は低評価という位置づけです。
しかし、海外SEOで注意したいのは、“海外は回線速度が速い地域と遅い地域の差が激しい”ということ。
そのため、回線速度が遅い地域でもストレスなくサイトを閲覧できるように、ページ表示速度を速くしておくことはとても有効といえます。
表示速度を上げるためにも、画像の圧縮や不要なコードの削除などは、入念に実施するようにしましょう。
海外SEO(グローバルSEO)は軸となるコンテンツを高めよう
基本的な考え方は、海外SEOでも日本のSEOでも同じで、“軸となるコンテンツの質をいかに高められるか”が成功へのカギを握ります。
コンテンツの質を高めるためにも、「翻訳機能を使わずネイティブに作る」「それぞれの国のトレンドや文化を熟知しておく」などのポイントは押さえておきましょう。
ここでは、海外SEOで成功するためのポイントをお伝えしてきましたが、結局大事なのは“ユーザーが見やすく・使いやすく・タメになるサイト”かどうかです。
本質を見失っては、途中で迷子になってしまうこともあるので、念頭に置いておきましょう。
まとめ
海外SEOと日本のSEOでは、検索エンジンも違えば、KW選定や調査方法も異なります。
また、質の高いコンテンツ作成における企画なども重要になってくるので、ターゲティング国のトレンドや情勢は常にチェックしておきましょう。
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「この国をターゲットにサイトを最適化したい」「この言語でコンテンツを作成してほしい」などあれば、お気軽にご相談ください。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。